このレポートでは、以下の様な分析結果が得られました。

  • 国際オリンピック委員会(IOC)や関連団体との紛争が続いており、高度な能力を持つ国家支援型の脅威アクターは、オリンピックやオリンピック関連組織にとって最も大きな脅威となっている
  • ロシアのAPTグループは、オリンピックを標的とした過去のサイバーキャンペーンや、ロシアの参加資格をめぐる現在の紛争を考えると、来るべきオリンピックを標的とし、混乱させることに最も意欲的であると考えられる
  • 攻撃者はオリンピックを魅力的なターゲットと見なしているため、ランサムウェアが、オリンピック関連組織にとって最大の脅威となる可能性がある
  • 東京2020オリンピック・パラリンピックに対して、人気がない、安全でない、不公平なイベントであるなどの、国家支援によるプロパガンダや偽情報発信等の影響力工作がみられる
  • 現在進行中のCOVID-19パンデミックとそれに伴う規制により、物理的な攻撃が行われる機会は少なくなっていると考えられるが、オリンピックは政治的な抗議活動の一般的な場であり、日本国内でイベントに対する反対意見が広まっていることから、国内に根ざした脅威のリスクが高まっている